Music

2018年版・同人音楽の(新譜の)探し方、買い方

この記事の目的

・同人音楽の新譜情報はどこで得たらよいのか?
・同人音楽はどこで買うことができるのか?
を詳らかにします。

「同人音楽」というのはあくまで括りでしかないので、この単語でいくら調べても欲しい情報は手に入りません。
「欲しい情報」とは、ここでは音楽そのものです。
同人音楽という言葉に内包される音楽そのものはどこで聴けて、またどこで買えるのか?ということを改めてまとめてみます。

背景

例えば、音楽ナタリーのようなサイトがあれば、私達は非常に手軽に新譜の情報を手に入れることができます。しかし2018年現在、同人音楽の新譜情報を網羅的に手に入れる手段はありません(※1)。
この状況の背景には、同人音楽のリリースのタイミングが非常に固定的(※2)であり、かつ情報開示から実際のリリースまでが非常に短く、異常に量が多い、というなんともニュースサイト泣かせな環境があります。
しかも、別に同人音楽を紹介したところでお金は稼げないので、ビジネス性も今は薄いです(※3)。

私たちリスナーは、結局自力で全ての情報を集める必要があります。
もちろんウェブ上には誰かのフィルターを通した「オススメ新譜」のような情報は無数にあります。キュレーションメディアとして機能しているかは別ですが、プレイリストのようなものだと考え、まずはそのあたりを見ておくのも良いと思います。
しかし、実際にはそれらの記事には一次ソースがあるはずです。それの探し方をここではご紹介します。

購入方法については、メジャーシーンと比較して地理的な制約が強いことを明らかにしつつ、リスナーが取れる手段をご紹介します。

※1 : 少し前には同人音楽超まとめがありましたが、サービスインから5年で終了する、という触れ込みであり、実際に終了しました。なお、これ以前にもサービスが生まれは消えていっているようです。
※2 : 東京であれば、4月に春のM3、8月に夏のコミックマーケット、10月に秋のM3、12月に冬のコミックマーケット。この他、大型連休などに合わせて、専用ジャンルのイベントが企画されます。
※3 : pixivはなにか企んでいると思います。全く知りませんが。

3行で分かる探し方

・Twitterで探す
・Youtube (ニコニコ動画)で探す
・SoundCloudで探す

実は難しいことはなく、基本的にはこれで欲しい情報は得られます。
大したノウハウも何もありません。基本的には検索単語をどうするか、だけです。
情報の得方もこのあたりがほぼイコールです。

3行で分かる買い方

・イベントに行く
・委託ショップに行く
・中古市場を探す

同人音楽の流通については後述します。
項目の最初にある、イベントに行くという方法が最もメジャーです。

Read Moreより、それぞれをもう少し詳しく探し方を検討していきます。

効率的な新譜の検索方法

あくまで私がイベント前に実践している方法です。
1. イベント日(リリース日)の10日前頃から、Twitterを縦断検索
2. 同じタイミングから、各動画共有サイト・SoundCloudを検索

これだけです。
特に重要なのがTwitterです。最近色々と騒ぎがあり、ユーザーの流出が心配ではありますが、最も情報が集まるのはここです。
私はTweenを使い、Public Searchタブを作成して上述の単語を検索しています。Tweenを用いる場合には、RTを非表示することでノイズが減らせます(※1)。
検索ワードについては後述します。

イベント日の10日前頃、というのはあくまで目安です。なぜ10日前なのかというと、正直私の経験則なので具体的な理由はありません。
新作の入稿が終わり、告知に手が回り出すタイミングだから、というのが理由としては最も大きいと考えています。
イベント4日前頃には情報公開がピークを迎えます。

ちなみに、新譜が出るのに告知がイベント当日までされないパターンもあります。

※1 : RTを表示すると、著名なアーティストが情報を流した時にそれでタブが埋まるからです。たまにONにして1~2日前の情報を得る時には便利です。

Twitterを使う理由

なぜTwitterを使うのかというと、単純にユーザー数が非常に多く、ジャンルを問わず情報が集められるからです。
動画共有サイトやSoundCloudにアップロードされた試聴ファイルは、確かにダイレクトに音楽にアクセスできますが、それらのサービスを使っていないアーティストの情報は入ってきません。
古きよきMIDIサイトの流れを汲んでいるアーティストなどは、自分のウェブサイトにファイルをアップロードしていることもままあります。
それらの情報も合わせて拾えるので、Twitterをまず探すことが重要だと考えています。もちろん、Twitterをやってない、というアーティストの情報を得るためには、Google検索をする以外に手段はなくなりますが…。

また、お目当てのアーティストが既に居るのであれば、そのアーティストのホームからRTを辿る方法が取れます。
アーティスト同士のつながりは基本的に同じジャンルだったり、同じレベルだったりすることが多いので、1人いいなと思えるアーティストが居るのであれば、そこから広げる方がより自分の好みの情報を得られる確率が高いです。
全く知識のない状態で探し始めるには若干不向きですが、誰かしら好きなアーティストが居て、そこから情報を広げるという探し方が可能なのがTwitterの便利な点です。

動画共有サイトを確認する理由

一方、動画共有サイトに関しては、アーティスト本人の情報とは切り離された形で、音楽そのものにアクセスできることが良い点です。
日本では主にYoutubeとニコニコ動画が主流なので、そこで検索をかけていきます。
この時、大事なのはアップロード日を「直近1ヶ月」とか「直近1週間」にすることです。特に「コミケ」と言った対象が広い単語で検索する際には、時期を指定しないと数年前の動画がヒットしてしまいます。

これはあくまで私の主観ですが、Youtubeにはジャンルを問わず試聴ファイルがアップロードされますが、ニコニコ動画については、ボーカロイド関係と歌い手関係、東方アレンジ関係の試聴ファイルがアップロードされることが多いです。
大手サークルになれば両方に試聴動画がアップロードされることが多いですが、特にボカロ系統はニコニコ動画にしか試聴ファイルがないことが多い気がします。

SoundCloudを確認しておく理由

また、動画共有サイトではなく、SoundCloudに試聴ファイルを公開するアーティストも多くなりました。
特に最近隆盛している音楽ゲーム関連のアーティスト(ないしそれが内包するジャンル)はこちらにファイルが上がっていることが多いです。
元々SoundCloud自体、電子音楽(広義のテクノ)関連のアップロードが多かったこともあり、その流れを継いだ形で扱われているようです。
ただ、そもそも音楽ファイルとジャケット画像を用意するだけでいいので、最近はジャンルを問わずSoundCloudにアップロードされることが多い気がしています。

検索ワードのコツ(Twitter)

検索ワードについては、様々なパターンが考えられます。まずはTwitterでの検索ワードです。
『イベント名 + 新譜』
『イベント名 + 新曲』
『イベント名 + 新作』(これはM3など即売会のジャンルが絞られている時)(※1)

重要なのはイベント名の部分です。例えばコミックマーケットであれば、それぞれのアーティストで使う略称が異なります。
例えば8月はコミックマーケット 94として開催されましたが、検索対象として想定できるのは下記の通りです。
『C94』
『夏コミ』
『コミケ』
『コミックマーケット94』
『Comic Market 94』
『コミケ 94』
『コミケット 94』

上にある方が頻出です。
注意したいのが『夏コミ』で、これはかなり見ます。夏コミの新譜です!とだけ書いてURLが貼ってあることもザラです。
作者本人が情報を提供するので、正式名称や広告のための配慮は特にされないことも多いため、注意が必要です。

私は『C94 新譜』、『夏コミ 新譜』、『コミケ 新譜』の3タブ程度で監視しています。
Tweenはスペースを空けるだけでAND検索が走ります。

※1 : コミックマーケットの時にこれで検索をかけると、同人誌やグッズを含めた全ての情報が引っかかり、精査できません。M3については、そもそも音系同人即売会なので、新作という単語でも割と引っかかります。

検索ワードのコツ(Youtube / ニコニコ動画 / SoundCloud)

Twitterとは異なり、イベント名だけで検索することが有効です。
『C94』
『Comic Market 94』
『コミックマーケット 94』
『夏コミ』

動画のタイトルに【C94】のように頒布イベントの情報が書かれている場合が多いです。
また、Twitterと違い、動画の説明文に正式名称でイベント名が書かれることがよくあります。
新譜かそうでないかは、基本的にはアップロード日で判断できます。

探し方のまとめ

このように、Twitterと各動画サイトを巡回することで、イベント前に新譜の情報は把握することができます。
特に大手であれば間違いなくこの手段で情報が得られます。島中のサークルの情報であっても、基本的には変わりません。

Twitterがないアーティストの情報に関しては、例えばM3の参加サークルリストからウェブサイトの情報を探す、Pixiv BOOTHを検索するという手段もありますが、それ以外はGoogle検索しかないと言ってよい状態です。
アーティスト側の情報公開のスタンスによるので、Twitterがなければ、もう諦めてネットの海を探すしかありません。がんばってください。

同人音楽の買い方

ここまでは同人音楽を探す方法を確認してきました。
探し方が分かったので、次は買い方です。

同人音楽の買い方は、細かいことを省くと、3通りに集約されます。それが冒頭に記載した3つです。
・イベント(即売会)に行く
→コミックマーケット、M3、博麗神社例大祭、THE VOC@ALOiD M@ASTERなど
・委託ショップに行く
とらのあなメロンブックスあきばお~こくAliceBooksPixiv BOOTHDiverse DirectTOKYO FUTURE MUSICなど
・中古を買う
→ 駿河屋、ブックオフ、メルカリなど

それぞれについてこの後触れますが、それの前に、同人音楽のリリースの事情について記載いたします。

冒頭の背景の項で触れましたが、同人音楽はリリースの時期がほとんど固定されています。
東京で言うと、4月、10月のM3と、8月、12月のコミックマーケットがリリース時期です。
これ以外のタイミングでは、例えば東方のオンリーイベントである博麗神社例大祭や、ボーカロイド系のオンリーイベントであるTHE VOC@ALOiD M@ASTERなどがリリースのタイミングとなります。
とにかく言えることは、「即売会がないと、新譜が出ない」ということです。

例えばメジャーシーンにおいて、新作のCDのリリース日は毎週水曜日(フライングゲットを考慮すると火曜日)です。
毎週膨大な量の新作が出ていますが、それでも「この時期にだけ異常にリリース数が多い」と言った傾向は、リスナーからはあまり認識されていません(※1)。
同人音楽は、即売会以外でほとんどリリースがありません。あってもフリーリリースなどのデジタル配信で、店舗に並ぶような物理媒体としてのリリースは皆無と言っても過言ではありません。

そのため、同人音楽の新譜を手に入れるには、まず兎にも角にも、即売会に足を運ぶことが必要です(※2)。
買い方の項目の最初に置いてあるのもそれが理由です。
今でこそ、通販やデジタル配信も実施されるようになり、現地に行かなくても新譜が買えるようになりましたが、残念なことに全てのリリースがそれらの販路を活用できるわけではありません。
未だに「手に入れられる場所は即売会だけ」というリリースも数多くあります。お目当てのリリースが即売会のみ場合、足を運ぶ以外に正規のルートで手に入れる方法はありません。この点は覚悟する必要があります。

※1 : 私が知らないだけかもしれません。また、ホリデーシーズンで、ちょっと普段より新譜が出る数が多い、みたいなことはあるのだろうと思います。
※2 : pixivで定期的に開催されるAPOLLOは、Web上で開催される即売会のため、PCの前から購入することができます。

イベントでの買い方

これは簡単です。お金を持って即売会に行き、「新譜を1つください」と言うだけです。
新譜が複数ある場合には、タイトルをしっかり覚えてから臨みましょう。大抵の場合、新譜はブースの上に置いてあるので、指差しでも構いません。

つい「これは簡単です」と書いてしまいましたが、実際には人が大量に発生しており、時間帯によっては歩けないくらい混んでいることもあります。
また、即売会の会場内はただ机が並んでいるだけなので、事前にブースの場所を把握しておく必要があります。
参加するイベントのカタログをよく確認し、どこに向かうのか頭に入れて行動しましょう。

また、販売価格は作品によってまちまちですが、大体が1枚あたり1000 ~ 2000円程度の価格となっています。
最近はプレス費用の高騰により、1500円で頒布している作品も増えましたが、未だに相場としては1000円頒布が最も多いのではないかと思います。
シングル、ミニアルバム、EPといった形態で頒布されるものは500円~800円のレンジで頒布されています。

中には複数枚組や特殊装丁、プロによる作品など、商業作品と同等の3000円を超える価格で頒布されているものありますが、基本的には商業作品より価格は低いと考えて大丈夫です。
価格については、大抵の場合頒布情報として事前に公開されています。逆に公開していないアーティスト、サークルについては不親切だと言えます。

このブログで即売会の参加方法について詳しく書く必要はないと思うので、初めて即売会に行くという方は、一度Google先生に尋ねてみるとよいと思います。

委託ショップでの買い方

同人誌や同人音楽は、「委託販売」という形で即売会の以後流通していきます。コミックマーケット終了の翌日が「コミケ4日目」などと言われるのは、委託先の書店で販売が始まるためです。
その委託先が、先程挙げたようなとらのあなやメロンブックス、Alice Booksというわけです。
委託先の情報については、各アーティストがイベントの後に情報を公開していたり、新譜情報の特設サイト内に掲載していたりします。

サークルの人気度、アーティスト本人の対応の速度にもよりますが、大体イベントの1~2週間後には委託販売が始まります。
人気サークルの作品については、即日販売しているところも少なくありません。

価格は「即売会での頒布価格+委託料」で、購入する側としてはコストが増えます。
1000円で頒布していた作品は1500~1600円程度で販売されていることが多いです。率にすると50%程度乗っているので、大量に購入する場合には無視できません。
これに関しては、各書店により様々なので、逐一確認することが必要です。

委託先については各サークルに委ねられているので、とらのあなにあるけど、メロンブックスにはない、と言った状況が多々発生します。
オフラインの店舗の場合は、物理的な制約があるので、新譜であっても棚に置かれないことも多いです。
また、委託される側のビジネス的な理由もあります。委託販売をする書店は株式会社であることがほとんど(※1)なので、全く売れないと判断されたものはそもそも委託を受けないこともあります。
委託販売で購入する場合、そもそもお目当ての作品の人気度なども考慮する必要があります。

なお、TOKYO FUTURE MUSICに関しては、大手の委託先が扱わない作品も多く取り扱っています。

※1 : ちなみにDiverse Directは個人で運営されています。

中古ショップでの買い方

同人音楽の中古市場での扱いは両極端です。
例えば駿河屋の場合は、同人作品を扱うノウハウ(データベース)があるので、買取価格も適正ですが、プレミア商品についてもきっちりプレミア価格で販売します。
ブックオフなどのターゲットがより広い中古ショップの場合、同人音楽は基本的にデータベース化されておらず、「よくわからないCD」として扱われます。そのため、目利きができる従業員が居なければ格安で処理されます(※1)。

当たり前ですが、誰かが売るまでは市場に出てこないので、欲しい作品がいつ出てくるかは運次第です。
新譜に関しては、大手サークルのものは比較的すぐに出回ります(特に駿河屋やメルカリ)。

中古なので、価格については中古ショップが決定します。
例に出した駿河屋の場合、新譜は委託ショップでの販売価格を定価とし、それの80%~110%程度の価格で売っていることが多いようです。

※1 : この点に関しては当てずっぽうです。あくまで私の経験としては、です。

終わりに

Vtuberの流行などで、ネット発の音楽を初めて耳にした方も改めて増えているのではないかと勝手に考えています。
KMNZのVR – Virtual Realityや、Kizuna AIのHello,Morningなどがそれに当たります。

VR – Virtual RealityのコンポーザであるUjico* / Snail’s Houseは、もともとは同人音楽サークル Youth Composer Associationで活動していました。
ネット発の音楽が同人音楽シーンと結びついているのは今に始まったことではありませんが、新しい時代を築く力を持った音楽が生まれる土壌がある、ということは注目に値する事実ではないかと思います。
究極的にはシーンが云々ではなく個人の努力なのでしょうが、先のUjico*のStorytellorを買っていた身としては、シーンが存在したことでアーティストに還元できるものがあったのかなと思わなくもありません。

メジャーシーンの二歩手前、まだほんのりアンダーグラウンドな同人音楽について、今後も適正な形で音楽が評価され、購買されていることを望んでいます。
この記事が新たな音楽との出会いと、アーティストの活動に寄与することを祈っています。

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